小石川植物園「熱帯アジアの植物多様性を探る」
東京大学基金寄付者特別セミナー・
小石川植物園「熱帯アジアの植物多様性を探る」
2008年、11月、12月の2度に亘り開催し好評を博しました東京大学大学院理学系研究科付属植物園、通称「小石川植物園」での寄付者特別セミナーを2009年度は2007年度、2008年度貢献会員の方々に小石川植物園「熱帯アジアの植物多様性を探る」と題しましてご案内申しあげました。11/9(月)と11/24(火)の両日とも定員40名を超える応募をいただきました。
今回もセミナーの講師をお願いいたしましたのは、小石川植物園の園長で、東京大学大学院理学系研究科教授の邑田 仁(むらた じん)先生です。邑田先生は熱帯植物研究の第一人者で、ミャンマーや中国南西部において熱帯植物の現地調査をされております。
セミナーは植物園内の柴田記念館にて、邑田先生が実際採取された植物のスライドを見
ていただきながら、熱帯植物の進化と多様性についての最先端の研究成果について分かりやすくお話していただきました。一口に熱帯植物と言ってもピンときませんが、世界で一番大きな花、一生をたった一枚の葉だけで過ごす植物、食虫植物これらすべては熱帯地域に生息しています。先生の長年の研究からも未だその正体が明らかにできていない植物も数多く存在します。そこが熱帯植物の魅力ともいえるでしょう。大学での植物学者としての先生のお姿とは違う一面を現地調査でのお話から垣間見ることができました。
講演の後、グループに分かれて植物園内を歩いて頂き、植物をご覧頂きながら先生のお話を伺いました。植物園のご案内には、東京大学大学院理学系研究科助教の東馬 哲雄(とうま てつお)先生にも加わって頂きました。東馬先生は登山好きのご両親の影響で幼い頃から高山植物に
触れられ、植物学の道に進むことを決められたそうです。ただ散策するだけでも素晴らしい植物園ですが、解説が加わると知識の世界が広がり、木や葉、花の見方までもが変わっていきます。両日とも晴天に恵まれ、美しい秋の小石川植物園をご覧頂くことができましたが、東馬先生には特に小石川植物園の中で最もお薦めの美しいスポットにも連れて行っていただきました。小石川植物園といえば、接木されたニュートンのリンゴの木、分株されたメンデルの葡萄、精子発見の銀杏が有名ですが、その他に、楓並木や桜並木の紅葉、また、美しいコダチダリヤを見ていただくことができました。
写真左:接木されたニュートンのリンゴの木の前にて
写真右:紅葉とコダチダリヤ(渉外本部カメラマン・イチオシの写真!)
絶滅を危惧されている90種以上の小笠原諸島の希少な植物をはじめとし、珍しい熱帯植物を数多く保有する温室は邑田先生にご案内いただきました。昨年のセミナーでは全室公開させていただきましたが、今回は老朽化が進み、見学者への危険が増したため、残念ながら一部の温室のみ公開させていただきました。
巨大な花を咲かせる「ショクダイオオコンニャク」や食虫植物の「ウツボカズラ」、葉の部分が葉脈だけの「レースソウ」など、目にするだけでも珍しい植物ですが、邑田先生の解説を伺うと、驚きや発見があり、不思議な植物への興味が深まりました。
今回、セミナーにお越しいただいた方々に少しでも喜んでいただけたらと、植物園でとれた銀杏の実と「Life in Green 小石川& 日光」の喉飴の試作品をお土産としてご用意させていただきました。
また、精子発見の銀杏の木の前にて皆様で記念撮影をさせていただきました。小石川植物園に初めてお越しいただいた方、頻繁に足を運んでいただいている方、それぞれの植物園を楽しんでお帰りいただけたと思っております。
前回もご紹介しました小石川植物園ですが、正式には「国立大学法人東京大学大学院理学系研究科附属植物園」といい、植物学の教育・研究を目的とする施設です。小石川植物園は日本最古であるばかりでなく、アジア地区トップの植物標本を保持する植物園です。しかし、この小石川植物園は現在、大変深刻な財政難に直面しております。そこで、東京大学基金でも支援プロジェクトを立ち上げました。「Life in Green 小石川 & 日光」と題しまして、世界に誇るアジアの中核植物園にするための第一歩を踏み始めました。多額の資金を必要としますが、全く目途はたっておりません。皆さまからのご支援を是非お願いいたします。一定額以上を植物園へご寄付いただきました方には温室改修の折に銘板を残させていただきます。ご関心のある方は東京大学基金事務局までご連絡をお願いいたします。
今後とも、寄付者の方々に少しでも東京大学に触れていただけるような機会を設けたいと思っております。引き続き温かく見守っていただければと思います。








