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生態調和農学機構緑地植物実験地にて花蓮特別見学会を開催しました。

東京大学基金へご寄付いただいた方で、貢献会員(30万円以上ご寄附いただいた方)の皆様には、日頃の感謝の気持ちを込め、大学の施設や研究をご紹介する特別セミナーへご招待しております。本年度第二弾は、7月31日(土)に開催した緑地植物実験地「花蓮特別見学会」です。今回はその模様をご紹介いたします。

今回会場となった、本学大学院農学生命科学研究科附属生態調和農学機構 緑地植物実験地(旧緑地植物実験所)は、千葉県千葉市花見川区の東京大学総合運動場と隣接する場所に位置しています。緑地植物実験地(以下、実験地)は、約4.7万平方メートルの土地で、造園用および観賞用植物の収集、栽培、繁殖、利用に関する技術の教育と研究を行っています。栽培、保存している植物は、ツツジ、ツバキ、サザンカの園芸品種を中心とする樹木約400種600品種、また、花ハスおよそ200品種を含む草本約100種300品種です。1951(昭和26)年に、隣接する東大グラウンド(旧東大厚生農場)で大賀一郎博士によって発掘され、ご存知の方も多い古代ハス「大賀ハス」も、当実験地で栽培保存されています。
当実験地は平成22年度より、西東京市にある附属農場とともに生態調和農学機構へと組織を変え、栽培されている植物も来年度には移転する予定となっており、移転前最後ということで、見学会を行う運びとなりました。

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写真:開花2日目の大賀ハス

当日は、前日までの夏の嵐が止んだ晴天の中、60名の方をお迎えし、実験地担当の教員・技術職員のガイドのもと、蓮の花の見学ツアーをした後、東京大学検見川セミナーハウスにて、本学教授・名誉教授により蓮に関する特別講義を行いました。

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前半の見学会では、生態調和農学機構 小林和彦機構長の挨拶の後、2組に分かれて実験地専門の教員・技術職員のガイドを聞きながら、蓮の花の観察を行いました。大賀ハス発見の歴史をはじめ、世界におけるハスの分布や、ハスとスイレンの違い、栽培の方法などの説明がありました。「検見川の大賀ハス」として千葉県の天然記念物としても有名な大賀ハスは、7月の中旬~下旬ごろが開花の見頃のため、当日まで花が間に合うのか心配されましたが、実験地の植物を守っている技術職員の方々が、蕾(つぼみ)がもう一度出るようにこまめに追肥と灌水を行い、その結果、幸いにも、花を最も美しく観察できる開花2日目の様子を見学することができました。その他、子供の頭ほどの大きさもある大型種のハスや、家庭用にも向く「椀蓮(わんれん)」など小型品種のもの、当実験地で作出された品種「緑地美人」なども紹介があり、多種多様な蓮の花を観賞いただくことができました。

その後は、緑地植物実験地から東大総合運動場内に入り、検見川セミナーハウス内で特別講義を行いました。検見川セミナーハウスは、東京大学の学生の課外活動をはじめ、地域一般の方にも利用を開放している施設です。特別講義では、まず新領域創成科学研究科名誉教授 渡邉達三先生より、「ハスとその観賞」というテーマで、世界の多くの国に親しまれているハスの例や、ハスの香りの研究についてご説明いただきました。次に、農学生命科学研究科 堤 伸浩教授より、「意のままに花を咲かせる」というテーマで、遺伝学的に花が開く仕組みをご説明いただきました。蓮の花は、切り花にしてしまうと、蕾のままで花が開かないそうです。今後研究が進めば、私たちが切り花として日常的にハスを楽しめる日も近いかもしれません。また講義の後に、本学のコミュニケーションセンターにて販売している、大賀ハスの香りを再現したオードパルファム『蓮香』の開発について、資生堂リサーチセンターの寺嶋有史様に、開発ストーリーをご紹介頂きました。大賀ハスの香りを表現すると、「すっきりとした甘さにやや薬くささ(消毒用臭)が加わった涼しげで神秘的な香り」ということです。

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また当日いらした方々には、特別に緑地植物実験地の蓮からとれた種子を、記念品としてお持ち帰り頂きました。ケースの中には、直径1~2センチほどの蓮の種子5粒と、育て方のポイントが書かれた説明書が入っています。実験地の教職員の方々が参加の皆様の記念になればと、丁寧に梱包して下さいました。蓮の花は、自然に交配・交雑してしまうため、種子になったものはすべてオリジナルの品種になるそうです(実験地では、品種を守るために各品種のクローンである蓮根(レンコン)を保存しています)。それぞれの種が咲くかどうかはお楽しみということで、大賀博士のように、蓮の花が咲くかどうか、実験してみても面白そうですね。

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特別講義終了後、ご希望の方のみ、東大グラウンド奥にある、実際に大賀ハスの種子が発掘された場所を見学いただきました。お昼の時間帯で日差しが強い中でしたが、8名の方で運動場の見学をしながら約15分、発掘地点までの道のりを歩きました。大賀ハスの発掘地点には、発掘を記念した桜の木と、大賀ハス発掘の地を示す石があります。1940年代後半、付近の遺跡調査の結果から大賀博士は東大グラウンド内に古代ハスの種があると予想し、1951(昭和26)年に発掘調査を実施しましたが、調査は困難を極め、ついに翌日で調査を打ち切りという頃、とうとう種子が見つかったとのことです。参加の皆様は、広いグラウンドの中、やっとの思いで種子を見つけた大賀博士の苦労をお感じになった様子でした。

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写真:発掘地点と発掘記念碑

セミナーにお越しいただいた方々からは、「ハスの花畑に囲まれて、気持ちが洗われるようです」「小さい種から大きなハスの花になることがなんとも不思議」等、喜びの声をいただいております。参加の皆様には、記念写真とアンケートをお送りさせていただきました。皆さまからの率直なご意見をうかがいながら、今後の基金活動等に参考にさせていただきたいと思います。

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また、今回は施設見学の定員に限りがあったため2007年度、2008年度の貢献会員の方にご案内を差し上げました。今後も東京大学の施設や研究を通じて、大学とのつながりを感じて頂けるようなセミナーを企画してまいります。今後とも東京大学基金をどうぞよろしくお願い申し上げます。

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