この記事は大気海洋研究所広報誌OceanBreeze第4号掲載記事※を許可を得て転載しております。
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大槌湾の湾口に近い場所に立地していた沿岸センターでも津波の高さは最大12.2mに達し(東京大学地震研究所 佐竹健治教授による)、研究棟3階の窓付近まで水没しました。この津波で沿岸センターの研究棟、共同研究員宿舎、ポンプ棟などの建物はかろうじて残ったものの、その他の車庫、上屋、船具倉庫などはいずれも全壊しました。沿岸センターの前にそびえていた防波堤も破壊され、その内側の敷地のかなりの部分は崩落、30面あった屋外コンクリート水槽も半分以上が水面下に没してしまいました。
「弥生」はじめ3隻の調査船は全て流されました。その内の2隻(チャレンジャー二世、三世)は5月に入って相次いで大槌町内の瓦礫の中から発見されたものの使用できる状態ではありません。30年以上にわたって大槌湾の水温と塩分を記録し続けてきた海象ブイも沿岸センターの門付近に無残な姿をさらして転がっていました。船具内倉庫内の観測機器類はいずれも流失、研究棟内の研究設備も全て津波で洗われ、使用不能な状態です。
とくに2階の分析機器室や恒温実験室に設置されていた大型の分析機器類はまるで洗濯機の中に放り込んでグルグル回転させたかのようにメチャメチャに破壊されてしまいました。2台の公用車とトラックを含め、沿岸センター敷地内に駐車していた自動車は全て流されました。多くは後日近隣の瓦礫の中から無残な姿で発見されたものの、トラックなど何台かは大槌湾内に沈んでいるものと思われ、いまだ所在がつかめません。

左)大槌町地図[国土地理院2万5千分の1地形図](a)→沿岸センターの所在地。
右)研究棟屋上から見た船具倉庫[中央]と共同利用研究員宿舎[右端]
国際沿岸海洋研究センターの被災状況と復旧・復興に向けた動き
執筆者:大竹 二雄(国際沿岸海洋研究センター長・教授)
次回掲載は9月9日(金)内容は「大気海洋研究所の対応1」の予定です。
プロジェクトサイト:http://utf.u-tokyo.ac.jp/project/pjt12.html