この記事では、トラリピの戦略7選を実際の運用経験に基づいて徹底解説します。
トラリピでは、戦略の選び方が重要です。
戦略の選び方で期待利益やリスクの大きさも変わってきます。
トラリピは一度運用を開始すると設定変更が大変です。
そのため、最初にどの戦略を取るかをしっかり考えてから運用開始しましょう。
この記事を読めばどの戦略を選べばいいか分かるようになります。
1.トラリピの戦略とは?
トラリピでの戦略とは、大きく2つの意味があります。
1つ目:トラリピの目的を決めること
広い意味でのトラリピの戦略とは、「トラリピの目的を決めること」に他なりません。
例えば、次のような例です
トラリピを行う目的を決めることで、どれくらいの資金でどれくらいの利益を上げたいかが自ずと決まります。
始めに、トラリピの目的をしっかり決めましょう。
2つ目:通貨ペアと仕掛け方を決めること
狭い意味でのトラリピの戦略は、「投資する通貨ペアと仕掛け方を決めること」です。
どの通貨でどんな仕掛け(トラップ設定)をするかによって投資効率とリスク度合いは変わってきます。
通貨ペアの選び方については、別の記事で解説します。
この記事では、「仕掛け方(トラップ設定)」について、メジャーな手法7つを解説していきます。
2.トラリピの戦略7選
トラリピのメジャーな戦略7選はこちらです。
それぞれ詳しく解説します。
ワイドレンジ
ワイドレンジ戦略とは、過去20~30年のレートの最高値、最安値で挟まれた範囲いっぱいに広くトラップを仕掛けることです。
リーマンショックなどの過去のメジャーなショック相場のレートも盛り込むため、安定した運用ができるのが特徴です。
メリット | ・ロスカットリスクをほとんど気にする必要がない ・どの時期でも安定的に利益を上げられる ・設定のメンテナンスが不要 ・長期的に運用できる |
デメリット | ・広い範囲に仕掛けるため必要な資金が膨らむ ・資金が少ない場合、トラップ間隔を広げる必要があり利益は落ちる ・万が一想定のレンジを外れると含み損が大きく広がる ・資金効率が悪い |
ある程度の額の貯金を口座で遊ばせている人や、少額でもいいのでリスク低く安定的に利益を上げたい人におすすめの戦略です。
トラリピ界で有名な鈴さんもこの戦略を取られています。
ナローレンジ
ナローレンジ戦略とは、直近のレートを考慮して、狭い範囲にトラップを仕掛ける戦略です。
同じ値幅を何度も往復するような狭いレンジ相場を形成している通貨ペアに向いています。
取引自体は狭い範囲で行いますが、リスク管理はリーマンショック級のレートまで含めた広い範囲で確認します。
メリット | ・資金が小さくても、大きな利益が期待できる ・資金効率が高い ・短期間に利益を上げることが期待できる ・相場に合わせてに上手く仕掛け範囲を調整できれば利益向上が見込める |
デメリット | ・設定レンジを外れると全く利益が上がらない ・設定レンジを外れるとレートが戻ってくるまでひたすら待つか損切りする必要がある ・レンジ設定や調整はある程度相場を読む必要がある ・狭い範囲に仕掛け本数やロットを増やすとロスカットリスクが増大する |
ナローレンジ戦略は、少額でトラリピを始める人や、逆に大きな資金でも投資効率を上げたい人におすすめです。
リスクは、設定した狭いレンジをレートが外れるリスクの1点に尽きます。
そのためどのように設定レンジを決めるかが重要です。
こちらもトラリピ界で有名なあっきんさんはナローレンジ戦略を取られています。
また、このサイトで提案する最強設定も豪ドル/NZドルのナローレンジ戦略です。
ハーフ&ハーフ
ハーフ&ハーフ戦略とは、あるレートを境にしてレンジを二分し、買いと売りを半々で仕掛けることです。
これによって、投資効率を3倍にも上げることができます。
メリット | ・投資効率を3倍に上げることができる ・ロスカットリスクを下げることができる ・利益は基本的に買いのみ、もしくは売りのみの場合と変わらない |
デメリット | ・買いのみ、売りのみだとロスカット方向は1方向のみだが、ハーフ&ハーフだと上下2方向になる。 ・マイナススワップが付くレンジでレートがとどまった場合、マイナススワップがかさむ ・買いと売りを切り替える境のレートをどこにするか考える必要がある |
資金効率アップとロスカットリスク低減にメリットがあるので、ハーフ&ハーフ戦略はトラリピでは多くの人が取る戦略です。
鈴さん、あっきんさん、このサイトの最強設定いずれもハーフ&ハーフ戦略を取っています。
(※あっきんさんは通貨ペアをまたいだ疑似ハーフ&ハーフで厳密には異なる)
トラリピを始められる方は、ぜひ検討してみてください。
ダイヤモンド戦略
ダイヤモンド戦略は、ハーフ&ハーフ戦略の発展型です。
売買の境目レート付近では、仕掛け幅を狭くしたりロットを増やして取引量を増やします。
一方、境目レートから遠いところでは、ロットを下げて取引を薄めに設定します。
ハーフ&ハーフの中に、さらに狭いハーフ&ハーフを追加する考えてもよいでしょう。
メリット | ・境目付近でレートが推移すれば、ノーマルハーフ&ハーフより資金効率を上げられる ・ロスカットリスクもハーフ&ハーフとそこまで変わらない |
デメリット | ・境目付近からレートがどちらかに離れると資金効率は落ちる ・設定方法が若干複雑になる |
長いレンジ相場を形成していて、今後もその範囲でレートが推移すると予測できる場合に取るとよい戦略です。
ただ、将来のことは分からないので、使いどころは難しいと言えます。
マネースクエア公式が推している世界戦略では一部ダイヤモンド戦略を取っています。
両建て
両建て戦略は、買いと売りの両方を同じレンジに仕掛けることです。
少し買いと売りの範囲をずらして、ハーフ&ハーフの変型版として使うことも多いです。
メリット | ・レートが上がっても下がっても収益が発生するため決済回数が増える ・短期間で収益が上がることが期待できる |
デメリット | ・両建てレンジから外れたときは効果を発揮しない ・レンジから外れた時の含み損、ロスカットリスクは増大 |
両建ては、通常のFXだと、経済合理性に欠くと言われています。
なぜらなら、売りと買いのポジションを同時に持つと、含み損益は合計でゼロのままで、スプレットとマイナススワップ分損するだけだからです。
一方、リピートで利益を細かく確定するトラリピでは両建てで資金効率を上げることができます。
ただ、リスクが増えるデメリットもあるため、使いどころはよく考えたいですね。
トッピング
トッピング戦略は、資金を後から追加して、トラップを上掛けすることです。
特に一時的にレンジを形成すると想定される狭い範囲に設定することを指す場合が多いです。
メリット | ・少額の追加資金を設定に反映させることができる ・相場に合わせた設定追加で短期的な資金効率を上げられる |
デメリット | ・設定レンジを外れた場合、含み損、ロスカットリスクが増加する ・設定の管理が煩雑になる |
トッピングは、追加資金を上手に使って期待利益を上げる効果的な戦略です。
メインのトラリピ設定と同じ設定に上掛けすることもあります。
一方、相場を読んでレートが上がると思ったら買いのトラリピを狭い範囲に設定する、などの臨機応変な使い方もあります。
後者の場合は、ニュースや情勢をチェックし、緻密な設定管理が必要になるため中級者向けの運用と言えます。
あっきんさんはこの戦略を上手に活用されています。
世界戦略
世界戦略は、互いに相関の小さい「豪ドル/NZドル」「米ドル/カナダドル」「ユーロ/英ポンド」の3通貨ペアを同時に運用することです。
相関の小さい3ペアに分散投資することで、含み損増大やロスカットリスクを1/3近くに抑えることができます。トラリピ公式も提案しています。
メリット | ・3通貨ペアに分散投資し、リスクを1/3程度に抑える ・3通貨ペア運用で収益機会を増やすことができる |
デメリット | ・最も効率のいい1通貨ペアに集中投資するのに比べると資金効率は落ちる ・万が一すべての通貨ペアが相関して一方向にレートが動くと含み損・ロスカットリスクが増える ・1通貨ペア運用に比べると運用管理が煩雑になる |
トラリピ公式が提案しているだけあって、リスクとリターンのバランスの取れた理に適った戦略です。
リスクの取り方次第ですが、投資資金を抑えて3通貨ペアを運用することもできます。
3通貨ペアを運用するのが手間に感じない人は、検討してみる価値があります。
世界戦略については次の記事で詳しく解説します。
3.トラリピの戦略の選び方
ここからはトラリピの戦略の選び方をお伝えします。
トラリピの戦略は次の4ステップで決めていきます。
STEP1:トラリピに対するスタンスを決める
STEP2:軸となる通貨ペアを決める
STEP3:資金とリスクのバランスを見て戦略を決める
STEP4:サブの通貨ペアと戦略を検討する
解説していきます。
STEP1:トラリピに対するスタンスを決める
トラリピに対するスタンスを決めます。
投資資金と目標利益とリスクの取り方を明確にします。
具体的な資金と利益が決まれば、取る戦略を決めやすいです。
STEP2:軸となる通貨ペアを決める
次に軸となる通貨ペアを決めます。
初心者の方は、まずは一つの通貨ペアに絞りましょう。そのほうが、資金とリスクのバランスを見極めやすいです。
始めから安定運用を見越して、複数ペアで分散投資する方法もあります。
ただ、今の時代1国で何かあると全世界に波及することが多く、分散投資しても安定運用にはつながりにくいと考えています。
通貨ペアの選び方はこちらの記事で解説しますが、結論から言うと最もトラリピに向いているのは現在「豪ドル/NZドル」です。
参考:【オージーキウイ】豪ドル/NZドルはトラリピ向きの最強通貨ペア
STEP3:資金とリスクのバランスを見て戦略を決める
スタンスと通貨ペアが決まったら、どの戦略を取るか大枠を決めます。
私はこの方針↓ | ||
長期安定運用を目指す | リスクとリターンの バランスを取りたい | 短期的に最大効率を 目指したい |
ワイドレンジ × ハーフ&ハーフ | ナローレンジ × ハーフ&ハーフ | ナローレンジ × 両建て × トッピング |
このあと上記大枠の戦略に従って、具体的な設定を検証しながら決めていきます。
設定の決め方は次の4つを調整して最終的な設定を決めます。
- トラップを仕掛けるレンジ
- 仕掛け本数(トラップ値幅)
- ロット
- 資金に対するロスカットレート
詳しくはこちらの設定手順の記事で解説します。
参考:【トラリピFX】設定手順を徹底解説|初心者が気を付けたい注意点3つ
ハーフ&ハーフの場合は、買いと売り方向で2パターン実施します。
STEP4:サブの通貨ペアと戦略を検討する
世界戦略など複数通貨ペア運用する場合は、サブの通貨ペアの戦略も同様に決めていきます。
サブの通貨ペアは、本的にはリスクを落として運用するのがおすすめです。
リスクを落とす場合は、仕掛け本数やロットを下げます。
こうして、すべての通貨ペアにおける戦略と設定が決まれば、運用を開始しましょう。
4.まとめ|戦略選びはトラリピの肝
この記事では、トラリピのメジャーな戦略7つとその選び方をご紹介しました。
戦略選びはトラリピの肝と言っても過言ではありません。
戦略の選び方次第で、利益やリスクの大きさが左右されるためです。
投資へのスタンスや、取れるリスクの大きさは個人によって違うはずなので、ぜひご自分に合った戦略を選んでみてください。
マネースクエアのマイページでは、「トラリピ運用試算表」が用意されており、ポチポチ入力するだけで、トラリピで想定される損失額や必要資金、ロスカットレートなどを試算できます。
参考:【トラリピFX】リスク管理方法を徹底解説|トラリピ運用試算表がベスト
ログインすれば誰でも「トラリピ運用試算表」が使えるので、無料の口座開設をすませたうえで、ぜひ試算してみましょう。